スッポンの飼育がしたい場合、まずは釣りをして「親サイズ」を把握しましょう♪
2016/12/20
スッポン飼育をしてみたいと思うきっかけは、人それぞれあると思います。
ですが、爬虫類飼育の初心者に、スッポンはあまりお勧めできない生物です。
甲羅の大きさが10センチ程度の子ガメならとても可愛いのですが、30センチやそれ以上の親スッポンになると噛みつく力が半端無いですので。
少なくともカメの飼育に慣れている人じゃないと、かなり危険と言えます。
下手すると指が飛ぶ“日本版カミツキガメ”とも言えるモンスター、それがスッポンの真の姿です。
――などと脅してみましたが、それでも飼育してみたいと思うのが人間の性です。
事実、スッポンをペットとして飼育している人は無数にいます。
食用に養殖されているスッポンの数は何十万匹になるでしょうか?
ペットショップ等でも、しばしば養殖されたスッポンの子ガメが売られているのを見かけます。
例えば、“くろいあまがえる”は今日の午前中、地元のショップでスッポンの子ガメが980円にて売られているのを見かけました。
WEB上でも、飼育ブログなどを覗くと、愛らしい姿のスッポン写真を見ることができます。
家族に向かって「指が飛んでも、スッポンの飼育がしたい!!」と叫べるあなたは、我が道を突き進んでみて下さい。(多分“くろいあまがえる”と同類です)
そんなあなたに、ぜひ試して頂きたい経験があります。
それは「本格的な飼育を始める前に、親サイズのスッポンを手に持ってみる」という経験です。
念のため“軍手or革手袋を付けること”を忘れないように気を付けて、次の行動を試してみることをお勧めします。(ビニール手袋は×です。指の肉ごと喰い破れらます)
まずは、スッポンが棲んでいると思われる河川に当たりを付けます。
例えば、くろいあまがえるのフィールド観察では、鹿児島市内では市街地を含めて大抵の河川の中流~下流域にスッポンは生息しています。
また、東京都でも多摩川下流域でしばしば遭遇した経験があります。
次に、魚の切り身(現地調達も可)やイカの切り身を餌にして、投げ釣り(ぶっこみ釣り)をします。
針はウナギ針のようなフトコロが浅いモノを使用した方が外しやすいです。
そして、ちょっとしたコツなのですが“針を噛みちぎられないように、ハリスにワイヤーを使う”のをお勧めします。
ワイヤーはあまり長くなくて大丈夫です。20~30センチもあれば十分です。
そして、ひたすら待ちます。
外道としてウナギやナマズ、ミシシッピアカミミガメなどが釣れることがありますが――持ち帰るなり、リリースするなり対処しましょう。
スッポンがいる場所なら、曇りの日や小雨上がりで軽く濁った日、そして夕方に良く釣れます。
それで釣れなくても、めげないで下さい。
川の下流で釣りをしていたら、散歩中の人が声をかけてくることがあると思います。
「スッポンを釣りたいんです」と言えば、目撃情報やポイント情報をくれることがありますので、ぜひ複数の河川で試してみて下さい。
そして、念願のスッポンが針に掛ったら。針を外す前に、とりあえず大きめのクーラーボックスに入れて、噛まれないように気を付けながら針を外しましょう。
……できましたか?
怖いですよね? 無理っぽいですよね? かなり動きが早いですよね?
大抵の人は、針を外すのにビビって、糸を切ってリリースすることになるかと思います。
スッポンの口に針が残ることが是か非かという問題はありますが――指を噛まれる危険性を考えたら、無理はしない方が良いと思います。
(なお、外すのなら「甲羅を足で踏んで、ハリスをぐーっと優しく引っ張って、スッポンが首を動かせない状態にしてからラジオペンチで外す」のがポイントです。ミシシッピアカミミガメも噛まれたら怪我をしますので、同様に外します。針を外した直後に噛まれないように、気を付けて実行して下さい)
……え? “くろいあまがえるは、過去に釣れたスッポンをどうしたのか”ですって?
ハリスをわざと20センチ残して持って帰ってから、1週間だけ飼育しつつ“泥抜き”をして、その後で鍋にしますけれど……スッポン、意外と美味しいですよ?
(あえてハリスを長く残しておくことで、捌く時に首を伸ばせるので楽です)
(スッポンに針を残してリリースするのが許せない人は、“責任を持って食べる”ところまで実行するのをお勧めします。針を外すよりも、冷凍庫に30分入れて仮死状態にした上で、捌く方が簡単ですから。泥抜きしている期間は飼育の雰囲気も楽しめますし)
~余談~
ペットショップに“スッポンモドキ”というカメがいることを最後にお伝えします。
これは、長寿かつ最終的にかなり大きくなるカメなので、スッポンの飼育がしたくても、手を出さない方が賢明です。150センチ以上の水槽を用意できる方向けの種類ですから。