ミシシッピアカミミガメの飼育をするなら、“安楽死”という選択も知っていて下さい
2016/12/20
爬虫類飼育の入り口として、“ミドリガメ”と呼ばれているミシシッピアカミミガメは身近な存在です。
子ガメなら数百円で買える半面、飼育しきれなくなった個体が屋外に遺棄される問題があり、環境破壊につながっています。
ミシシッピアカミミガメは、外来生物法が飼育を規制する“特定外来生物”に指定することも検討された生き物です。
ですが、「全国で飼育されている頭数が多すぎて、指定は遺棄されるミシシッピアカミミガメの数を増やす可能性が高い」という事情から特定外来生物への指定が見送られた逸話もあるカメなのです。
ミシシッピアカミミガメの飼育は簡単と言われています。詳しい飼育方法もWEB検索すればたくさん出てきます。
なので、飼育する上で気を付けたいポイントを“3つだけ”書くことにします。
ずばり――
- 日照不足が原因のクル病には気を付ける。
- 匂いの原因は水質悪化。大きめの容器で飼育する。
- 飼いきれなくなった場合、最後まで責任を持つ(具体的には、冷凍庫に入れて安楽死させる)
――です。
1つ目のクル病ですが、ビタミン配合のカメ専用の飼料を与えていれば防げると思いがちですが、室内で飼育している場合は「日照不足を補う専用ライトを使っていても起こりうる問題」だと考えていた方が良いです。
発症後の治療はわりと難しいため、予防のために午前中に適度な日光浴をさせてあげると良いです。(逃亡およびカラス等の悪戯防止のため、必ずカメには付き添っていて下さい)
2つ目の匂いですが、ザリガニやミシシッピアカミミガメ飼育の経験者の方は理解してもらえるかと思います。
ドブのようなちょっと耐えられないあの匂いは、水質の悪化が原因で起こります。
プラケース等の小さい容器よりも、60センチ水槽などの大きめの容器で飼育してあげて下さい。
頻繁に水換えをするというのも一つの方法ですが、フィルターで水質を安定させた方が管理は楽になります。
3つ目ですが、生物の飼育には責任が伴います。飼い切れなくなったミシシッピアカミミガメは、あまりにも安価で一般的過ぎるので、ペットショップや動物園などでは引き取ってもらえません。
普通なら安楽死という選択は避けたいと思うのが一般的な感覚だと思います。
ですが、どうしても飼えない場合に、きちんと責任を取ることが「生き物の命を扱う以上、飼育者としての最低限の義務」だと私は思います。
カメは上手く飼育すると10年以上生きることもあります。30センチくらいに大きくなります。病気になったりもします。
最後に。
ミシシッピアカミミガメの子ガメはとても可愛いです。
そのため飼育する場合には、きちんと“最後まで面倒を見る”という当たり前のことができるかな? と、一度は考えてみて下さい。
大丈夫そうなら、ミシシッピアカミミガメの飼育は、癒されますのでお勧めですよ。